2019年4月1日より、平和センター長の二期目を務めることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
平和センターは、2018年4月1日、平和に関する教育・研究において、これまで以上に学内外で「中心的役割」、まさに「センター」を担えるよう機能強化を図ることが認められ、名称変更し、存続期限を定めない施設となりました。今後も被ばく地「ヒロシマ」を意識しつつ、原爆・被ばく研究、核をめぐる国際関係の研究、平和構築研究、構造的暴力などを包む学際的な平和研究・平和教育拠点を目指します。そのために、国際シンポジウム、研究会、紀要等を通し、研究成果の積極的な発信をしていきます。
教育面では、大学院国際協力研究科などでの講義・ゼミ、教養教育「平和科目」の主体的な企画・運営などを引き続き担当します。また、本年度より開始される大学院共通科目「持続可能な発展科目」における平和科目も新たに担当します。それらにとどまらず、学内で展開する「平和」に関する教育プログラムにも主体的に参画します。
研究面では、「ヒロシマ平和研究」領域、「グローバル平和研究」領域の2つの研究領域を確立します。そのために、学内に散在する平和研究、平和教育の研究者との連携体制、並びに国内外の平和関連機関との協力体制を強化します。学内では、国際協力研究科平和共生講座、教育本部平和教育部門の研究者と強固に連携し、かつ、国内外では、UNITAR、PRIO、英シェフィールド・グラスゴー・バーミンガム大学、オランダ・アムステルダム大学、ソウル国立大学、南京大学和平研究所、広島市立大学広島平和研究所、広島平和記念資料館などとの連携を深化させます。そのほかにも、東千田理学部一号館跡地の保存・活用に関する企画立案にも積極的に参画していきます。
人事では吉報がありました。弊センター機能強化の一環として、2019年4月、van der DOES Luli(ファンデルドゥース・ルリ)先生を准教授としてお迎えすることができました。先生には、2017年5月より約2年間、平和センターにてJSPS外国人特別研究員として大いにご活躍いただきましたが、今後も言説分析を通した原爆被爆被害研究の深化、平和センターの諸活動への貢献、そして広島大学における平和教育への主体的な参画など大いに期待しています。また、2019年3月末には、教育・研究活動にご尽力いただいた小倉亜紗美助教が5年の任期を終え、同年4月から呉工業高等専門学校に講師として着任されました。あふれるバイタリティで今後もご活躍されることと思います。
片柳真理大学院国際協力研究科教授には、引き続き、副センター長を兼務いただきます。ご多忙な先生にお願いするのも憚られるところですが、平和センターの研究力強化のため、無理を承知でお願いした次第です。今後ともセンター教職員のご指導をお願いしたいと思います。
令和元年となる2019年も平和センターは、教職員一丸となって平和研究・平和教育に取り組みます。関係各位におかれましては、今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
平成30年4月1日より、「広島大学平和センター」になります。
平和科学研究センターは、平成30年3月31日までの期限が限られたセンターで、平成29年度までにその存続の見直しを行うこととなっていました。今回、新たにセンターの必要性を検討した結果、設置期間を定めない「広島大学平和センター」に発展させ、平和に関する研究・教育において、これまで以上に学内外で「中心的役割」まさに「センター」を担えるよう機能強化を図ることとなりました。英語名称は「The
Center for Peace, Hiroshima University」となります。
当センターは、これまで、国際シンポジウムや研究会、紀要等を通し、研究成果の積極的な発信を行ってきました。平成26年からは、国内外の平和関連機関とのネットワーク構築事業も積極的に展開しています。教育活動に関しては、大学院国際協力研究科、総合科学部、教養教育で講義・ゼミを担当し、特に教養教育「平和科目」に関しては、その企画・運営において中心的な役割を担っています。 2016年2月には、2008年4月から2015年3月までの諸活動に対する外部評価を受け、教育・研究・社会活動の各側面において、着実な成果を挙げていることが評価されました。
今後は、従来の業務に加え、「平和」にかかわる教育に積極的に参画する組織とし、その機能強化を図ります。次の図に示すように、学内に散在する平和研究、平和教育の組織・研究者及び国内外の平和関連機関との連携体制を整えることにより研究分野の特化と強化を行い、その成果を教育の場に還元します。教育面に関しては、教養教育にとどまらず、学内で展開する「平和」に関する教育プログラムにも主体的に参画します。また、研究面では、学内外に散在する平和に関わる研究者や機関と連携体制を整えて「ヒロシマ平和研究」領域、「グローバル平和研究」領域の2つの研究領域を確立します。そのほかにも、東千田理学部一号館跡地の保存・活用に関する企画立案にも積極的な参画を進めます。
平和科学研究センターは昭和50年(1975年)7月8日に発足した日本最初の平和学の学術的研究機関です。この歴史ある伝統をしっかり守りつつ、「平和センター」としての新たな歴史を作っていく所存です。
関係各位におかれましては、今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
平成30年4月1日
広島大学平和センター センター長
川野 徳幸
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。昨年は、被爆地ヒロシマにとって特別な年となりました。ICANがノーベル平和賞を受賞し、被爆者の「核なき世界平和」実現への絶え間ない努力があらためて注目され、評価されました。しかし、「原爆・被ばく研究」を標榜する私個人としては、ICANと被爆者団体との同時受賞でなかったことは残念でした。
ヒロシマは今後も「核なき世界」を中心に、恒久的な平和を追求するシンボルとしてあり続けなければなりません。2017年12月10日のノーベル平和賞受賞式での広島の被爆者・サーロ節子さんの演説には、多くの人が心動かされました。核保有国の人であろうとなかろうと、被爆者の声は、壮絶な被爆体験に基づくものであるがゆえに、多くの人の心を揺さぶります。しかしながら、そういう声に頼ることができない時代が、そう遠くない将来にやってきます。ヒロシマ、ナガサキは、被爆体験継承という課題ばかりではなく、今後のあり方全体を考えなければなりません。
広島大学平和科学研究センターは、原爆、被爆、核廃絶、平和構築などをキーワードに平和研究・教育に邁進し、ヒロシマの課題にも積極的に取り組みたいと思います。
本年もご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
2018年1月吉日
広島大学平和科学研究センターは、この度の「核兵器禁止条約」採択を歓迎します。
同時に、その採択の実現に努力し続けた原爆被爆者に敬意を表します。
ヒロシマ・ナガサキの悲願である「核なき世界」への着実な第一歩です。
これからの課題は少なくありませんが、「核なき世界」の実現に向けて、平和科学研究センターも学術の世界で貢献していきます。
2017年7月9日
平和科学研究センター長 川野徳幸
“Only One”で“No. 1”の研究施設を目指して
広島大学平和科学研究センター長
川野 徳幸
このたび4月1日付で平和科学研究センター長を拝命いたしました。よろしくお願いいたします。
ご承知のように、本学は「平和を希求する精神」を基本理念の第一に掲げ、その具現化に努めています。その一翼を担う研究機関がここ平和科学研究センター(平和科研)です。昭和50年に発足した平和科研には、これまで積み上げてきた経験と実績があります。それらの上に、また新たな実績を積み上げていかなければなりません。「ヒロシマ」の理念を基軸としながらも、よりグローバルで普遍的な「平和」を追求し、その実現に努力したいと思っております。特に、二つの研究領域の拡充・深化に傾注し、それらの骨格をしっかりと形成したいと考えています。
その一つは、「ヒロシマ」の理念を基盤とした平和研究です。たとえば、原爆・被ばくに関わる研究、核兵器廃絶・軍縮に関する国際関係などです。いうならば、「ヒロシマ」の思想である「核なき世界」に関連する研究領域です。他方の研究領域は、グローバルイシューに関する平和研究です。たとえば、今日的に緊急性の高いテーマの一つである難民問題、移民問題などが挙げられます。それ以外では、平和学における「構造的暴力」に関わる途上国の諸問題(貧困、平和構築など)、あるいは環境問題等が挙げられます。敢えて命名するならば、「ヒロシマ平和研究」、「グローバル平和研究」ということになります。これら二つの看板をメインに、平和科研は今後、研究に邁進したいと考えています。この二つの研究領域に関しては、゛Only
One” で ゛No. 1” であることを目指します。研究に関しては、先行研究を後追いするような研究のスタイルは採りません。これら領域に関しては、常にトップランナーでありたいと思います。トップランナーの先には、関連研究はあっても先行研究はそう多くないはずです。゛Only
One” で ゛No. 1” を追求した先には、「ヒロシマ発平和学」なる研究分野の確立があると確信しています。そのために、平和科研教職員一同、粉骨砕身努力いたします。
「核なき世界」の理念を基盤とする「ヒロシマ」の思想は、原爆被爆者の悲惨な原爆体験とそれに基づく反核兵器への信念、そしてその実現に向けた不断の努力によって、形成されました。核兵器禁止条約に対する日本政府の立ち位置が如何にあろうと、原爆被爆者が壇上で自身の体験を語ると拍手喝采を受け、多くの人の心を揺さぶります。そういった、原爆被爆者と彼らの原体験に「ヒロシマ」は支えられているのです。同時に、そういった、いわば「恩恵」を、そう遠くない将来に「ヒロシマ」は失うことになります。その前に、これからの「ヒロシマ」のあり方、その役割をアカデミズムの中でしっかり議論していきたいと思います。それも、被爆地広島に立脚する私たち平和科学研究センターの使命の一つだと考えています。
関係各位におかれましては、今後とも、ご支援・ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
2017年4月
ご挨拶
広島大学平和科学研究センター副センター長
片柳 真理
2017年7月10日付で副センター長を拝命しました、片柳真理です。
国連の平和維持や国際機関での平和構築の実務経験をもとに、現在平和構築に関する研究を進めています。広島大学に着任して3年半、広島は常に平和を議論している地であると感じます。紛争経験国から来る研修生と話をすると、まず広島が原爆によって壊滅的打撃を受けながらも、大きく発展している姿に心打たれるようです。縁あってこの地で平和構築の教育・研究に携わるようになった以上、私自身、広島の復興についても平和構築論の視点から見直してみたいと考えています。と同時に、川野センター長のメッセージにもありますように、「グローバル平和研究」として、国際的な紛争と平和の問題についても研究を進め、現在拡大しつつある国際的な研究ネットワークの中で議論し、成果発信をしていきたいと思います。
川野センター長の目指す「ヒロシマ発平和学」の確立に向けて、微力ながら力を尽くしたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
2017年7月
〒730-0053
広島市中区東千田町1-1-89
TEL 082 542 6975
FAX 082 245 0585
E-mail: heiwa@hiroshima-u.ac.jp