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ロシアのウクライナ侵攻に対して

 原子爆弾によるキノコ雲の下で生き地獄を経験したのは、多くの無辜の市民です。それを体験し、知る「ヒロシマ」にある教育・研究機関として、この侵攻に強く抗議します。「武力による平和」などあってはいけません。戦争・紛争の犠牲になるのは、無辜の市民であることをあらためて訴えるとともに、第一にロシアの撤兵を強く望みます。
                                   広島大学平和センター長
                                        川野 徳幸


三期目の抱負


 2021年2月26日の越智光夫学長による次期センター長面談を経て、2021年4月月1日より、三度、平和センター長の重責を務めることとなりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 今後も被ばく地「ヒロシマ」が標榜する「平和」を強く意識し、原爆・被ばく研究、核をめぐる国際関係の研究、平和構築研究、構造的暴力などを包む学際的な平和研究・平和教育に取り組みます。具体的には、@ヒロシマ平和研究領域、Aグローバル平和研究領域、という二つの研究領域の重点化を図り、当センターの研究力の強化と特化を行います。そして、その成果を教育の場、加えて、市民社会に還元します。この目的のために、従来通り、国際シンポジウム、研究会、既存の紀要、研究報告シリーズの刊行、広島大学の看板科目群である「平和科目」への主体的な参画、平成31年度より開始された大学院共通科目「持続可能な発展科目」における平和科目への主体的な参画、エジプト日本科学技術大学(E-JUST)での平和学講義、原爆・核問題をテーマにした市民向け公開講座(平和記念資料館と連携)、学内の「平和」をキーワードとする学内特定プログラム(Global Peace Leadership Programなど)への積極的な参画、8/6広島大学平和企画などに積極的に取り組んでいきます。
 4月以降の三期目である次の2年間は、上記の諸活動に加え以下の4点に特に傾注したいと考えています。
  @ 被爆地「ヒロシマ」の課題である被爆体験継承・核兵器禁止条約に向けた取り組み
 ここであらためて指摘するまでもありませんが、被爆地「ヒロシマ」の今日的重要な課題の一つは、被爆体験の継承です。教育・研究問題の側面から、被爆体験継承のために貢献したいと思います。原爆被爆被害の研究、その成果の発信を通し、何故、私たちは被爆体験を継承しなければならないのかも問い続けていきます。さらに、大多数の被爆者ばかりではなく多くの国民が願う「核なき世界」実現のため、核兵器禁止条約署名に向けた様々な発信も積極的に行いたいと思います。核兵器禁止条約への道程を阻むであろう「核抑止論」、「核の傘」といった諸問題をどのように乗り越えていくべきなのか、学際的な視点から考察し、発信します。
  A 旧理学部一号館跡地で展開する平和教育・平和研究拠点構想の実現
 広島市及び広島市立大学広島平和研究所と具体的な連携方法を検討し、実行に向けて、学内整備を行います。特に、教育に関しては、教養教育での単位互換、大学院連携などの方途を検討します。共同研究・協働での市民公開講座、並びに教育での連携に監視ては、広島修道大学にもご参画いただき、学生の教育に資するのみならず、広く市民社会に還元できる仕組みを作りたいと思います。2021年5月30日には、広島市(主催)、広島市立大学広島平和研究所、広島修道大学と協力し、『平和文化セミナー「わかるとかわる!核兵器禁止条約」』をオンラインにて開催しました。約320名に申込みいただき、盛会のうちに終えることができました。セミナー後のアンケートでも、継続して開催してほしいという多くの声をいただきました。今後もこういった協働を継続してまいります。
  B 平和センターの新たなミッション及び大型研究費の獲得
 今般のコロナ禍の現状も鑑み、多分野融合型の平和がく、「命を守る平和学」の確立に取り組みたいと思います。そのために、大型の研究費獲得にも努力したいと思います。同時に、「命を守る平和学」をテーマに研究会も開催したいと思っています。その手始めに、6月29日には、コロナ禍における支え合う社会の重要性を高知大学井上顕教授にお話しいただきます。また、7月6日には、防災教育の重要性について関西大学城下英行准教授にお話しいただきます。両研究会とも禍(わざわい)から命を守る視点でお話しいただく予定です、今後もこういったテーマの研究会を継続していきたいと思います。
  C 大学院新プログラム
 弊センターの専任教員3名は、大学院人間社会科学研究科国際平和共生プログラム教員を併任しています。 広島大学の看板である「平和」を冠する当プログラムのさらなる充実に貢献し、次世代の「平和の担い手」 育成のために努力したいと思います。

 さて、2019年12月に確認された新型コロナ感染症は、瞬く間に世界的な感染拡大を見せ、パンデミック となりました。その後、変異株も発生し、インドでは5月初旬、一日の感染者数が40万人を超える異常な事態も生じました。日本でも2021年4月、3度目の新型コロナウィルス感染症緊急事態宣言(対象区域は、東京都、京都府、大阪府及び兵庫県)が発出されました。当初4月25日から5月11日までの期間で予定されてましたが、5月7日には、5月31日までの延長が決定され、さらに愛知県と福岡県も新たな対象区域とされました。5月14日には、北海道、岡山県、そしてここ広島もその対象区域に追加されました。さらに、同月28日には、上記10都道府県に対し、6月20日までの延長が発出されました。緊急事態宣言による経済的損失も大きく、さまざまなシンクタンク、エコノミストらが試算しています。10兆円以上の損失といった試算もあります。この甚大な経済的ダメージは、特に、非正規雇用者などの社会的に弱い立場に置かれる人びとへはさらに深刻な影響を与えました。
 「平和」とは、実に多義的で、曖昧模糊とした言葉です。この響きの良い言葉は、様々な意味要素から構成され、使い手と受け手の理解が異なれば、危険な言葉にもなります。私は、原爆被ばく研究、平和学を専門としていますが、「平和」とは社会的に弱い立場にある人たちに寄り添える社会構築だと捉えています。今般のコロナ禍で社会的弱者の存在があらためて顕在化しました。SDGsの指摘を待つまでもなく、貧困や飢餓、暴力、差別などに苦しむ最も弱い人たちを「誰一人取り残さない」社会が理想です。その実現は決してたやすくはありませんが、こういった人たちの存在に気付き、思いやり、寄り添うことが平和な社会の実現に近づく重要な一歩だと思います。
 この三期目を「まとめの期」と位置づけ、これまで掲げてきた"Only One"で "No. 1" の目標を掲示くしつつ、そういった市民社会の実現に貢献したいと願っています。専任教員3名、契約職員1名、教育研究補助職員2名、RA1名という小さな所帯ですが、職員一同一丸となって、教育・研究・社会貢献に邁進したいと思います。
 また、片柳真理大学院人間社会科学研究科国際平和共生プログラム長・教授(平和構築研究)には、引き続き、平和センター副センター長を兼務いただきます。大所高所でご助言いただくとおもに、特に「グローバル平和研究領域」を牽引いただきたいと思います。
 関係各位におかれましては、ご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

                                          2021年6月3日
                              広島大学平和センター・センター長/教授
                                            川野 徳幸


広島平和記念資料館リニューアルオープンお祝いメッセージ


  広島平和記念資料館のリニューアルオープンをお祝いいたします。
 資料館本館は、長期計画と二年間の大工事を経て、核兵器によって失われた多くの人命の尊さについて、
 さまざまな視点から学び、考えることのできる場として、新たに生まれ変わりました。
 
  国内外から一人でも多くの人が、新生資料館を訪れ、「事実」を自分の目で確かめ、それに触発され、
 世界平和の実現に貢献してくれることを願っています。
  
  広島大学平和センターは、広島平和文化センター・平和記念資料館と広島大学との包括的協力協定に基
 づき、被爆体験と核被害について新たな知見の発見と事実に基づいた情報の伝播を促進すべく、研究・教
 育において継続的に協力するコミットメントを新たにいたします。

                                          2019年4月25日
                             広島大学平和センター・センター長/教授
                                           川野 徳幸

二期目の抱負 "Only One"で"No. 1"の研究・教育施設を目指して


 201941日より、平和センター長の二期目を務めることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

平和センターは、201841日、平和に関する教育・研究において、これまで以上に学内外で「中心的役割」、まさに「センター」を担えるよう機能強化を図ることが認められ、名称変更し、存続期限を定めない施設となりました。今後も被ばく地「ヒロシマ」を意識しつつ、原爆・被ばく研究、核をめぐる国際関係の研究、平和構築研究、構造的暴力などを包む学際的な平和研究・平和教育拠点を目指します。そのために、国際シンポジウム、研究会、紀要等を通し、研究成果の積極的な発信をしていきます。

教育面では、大学院国際協力研究科などでの講義・ゼミ、教養教育「平和科目」の主体的な企画・運営などを引き続き担当します。また、本年度より開始される大学院共通科目「持続可能な発展科目」における平和科目も新たに担当します。それらにとどまらず、学内で展開する「平和」に関する教育プログラムにも主体的に参画します。

研究面では、「ヒロシマ平和研究」領域、「グローバル平和研究」領域の2つの研究領域を確立します。そのために、学内に散在する平和研究、平和教育の研究者との連携体制、並びに国内外の平和関連機関との協力体制を強化します。学内では、国際協力研究科平和共生講座、教育本部平和教育部門の研究者と強固に連携し、かつ、国内外では、UNITARPRIO、英シェフィールド・グラスゴー・バーミンガム大学、オランダ・アムステルダム大学、ソウル国立大学、南京大学和平研究所、広島市立大学広島平和研究所、広島平和記念資料館などとの連携を深化させます。そのほかにも、東千田理学部一号館跡地の保存・活用に関する企画立案にも積極的に参画していきます。

人事では吉報がありました。弊センター機能強化の一環として、20194月、van der DOES Luli(ファンデルドゥース・ルリ)先生を准教授としてお迎えすることができました。先生には、20175月より約2年間、平和センターにてJSPS外国人特別研究員として大いにご活躍いただきましたが、今後も言説分析を通した原爆被爆被害研究の深化、平和センターの諸活動への貢献、そして広島大学における平和教育への主体的な参画など大いに期待しています。また、20193月末には、教育・研究活動にご尽力いただいた小倉亜紗美助教が5年の任期を終え、同年4月から呉工業高等専門学校に講師として着任されました。あふれるバイタリティで今後もご活躍されることと思います。

片柳真理大学院国際協力研究科教授には、引き続き、副センター長を兼務いただきます。ご多忙な先生にお願いするのも憚られるところですが、平和センターの研究力強化のため、無理を承知でお願いした次第です。今後ともセンター教職員のご指導をお願いしたいと思います。

令和元年となる2019年も平和センターは、教職員一丸となって平和研究・平和教育に取り組みます。関係各位におかれましては、今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。


                                          2019年4月1日
                                 広島大学平和センターセンター長
                                            川野徳幸


組織名変更のご挨拶

平成30年4月1日より、「広島大学平和センター」になります。

 平和科学研究センターは、平成30年3月31日までの期限が限られたセンターで、平成29年度までにその存続の見直しを行うこととなっていました。今回、新たにセンターの必要性を検討した結果、設置期間を定めない「広島大学平和センター」に発展させ、平和に関する研究・教育において、これまで以上に学内外で「中心的役割」まさに「センター」を担えるよう機能強化を図ることとなりました。英語名称は「The Center for Peace, Hiroshima University」となります。

 当センターは、これまで、国際シンポジウムや研究会、紀要等を通し、研究成果の積極的な発信を行ってきました。平成26年からは、国内外の平和関連機関とのネットワーク構築事業も積極的に展開しています。教育活動に関しては、大学院国際協力研究科、総合科学部、教養教育で講義・ゼミを担当し、特に教養教育「平和科目」に関しては、その企画・運営において中心的な役割を担っています。   2016年2月には、2008年4月から2015年3月までの諸活動に対する外部評価を受け、教育・研究・社会活動の各側面において、着実な成果を挙げていることが評価されました。
                                                           
 今後は、従来の業務に加え、「平和」にかかわる教育に積極的に参画する組織とし、その機能強化を図ります。次の図に示すように、学内に散在する平和研究、平和教育の組織・研究者及び国内外の平和関連機関との連携体制を整えることにより研究分野の特化と強化を行い、その成果を教育の場に還元します。教育面に関しては、教養教育にとどまらず、学内で展開する「平和」に関する教育プログラムにも主体的に参画します。また、研究面では、学内外に散在する平和に関わる研究者や機関と連携体制を整えて「ヒロシマ平和研究」領域、「グローバル平和研究」領域の2つの研究領域を確立します。そのほかにも、東千田理学部一号館跡地の保存・活用に関する企画立案にも積極的な参画を進めます。

 平和科学研究センターは昭和50年(1975年)7月8日に発足した日本最初の平和学の学術的研究機関です。この歴史ある伝統をしっかり守りつつ、「平和センター」としての新たな歴史を作っていく所存です。                                                                            
 
 関係各位におかれましては、今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
                                              
                                      平成30年4月1日
                             広島大学平和センター センター長 
                                     川野 徳幸  
  
 

 

新年のご挨拶

 新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。昨年は、被爆地ヒロシマにとって特別な年となりました。ICANがノーベル平和賞を受賞し、被爆者の「核なき世界平和」実現への絶え間ない努力があらためて注目され、評価されました。しかし、「原爆・被ばく研究」を標榜する私個人としては、ICANと被爆者団体との同時受賞でなかったことは残念でした。
 ヒロシマは今後も「核なき世界」を中心に、恒久的な平和を追求するシンボルとしてあり続けなければなりません。2017年12月10日のノーベル平和賞受賞式での広島の被爆者・サーロ節子さんの演説には、多くの人が心動かされました。核保有国の人であろうとなかろうと、被爆者の声は、壮絶な被爆体験に基づくものであるがゆえに、多くの人の心を揺さぶります。しかしながら、そういう声に頼ることができない時代が、そう遠くない将来にやってきます。ヒロシマ、ナガサキは、被爆体験継承という課題ばかりではなく、今後のあり方全体を考えなければなりません。
 広島大学平和科学研究センターは、原爆、被爆、核廃絶、平和構築などをキーワードに平和研究・教育に邁進し、ヒロシマの課題にも積極的に取り組みたいと思います。

 本年もご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
                                      2018年1月吉日

祝 ICANのノーベル平和賞受賞と授賞式における被爆者のスピーチ

 核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞を祝福するとともに、12月10日のオスロでの授賞式で、被爆者が参加し、スピーチすることを大変喜んでいます。核兵器の非人道性があらゆる世界で共有されることを願っています。                                                                                 
                                       2017年10月30日 

「核兵器禁止条約」採択を歓迎します


広島大学平和科学研究センターは、この度の「核兵器禁止条約」採択を歓迎します。
同時に、その採択の実現に努力し続けた原爆被爆者に敬意を表します。

ヒロシマ・ナガサキの悲願である「核なき世界」への着実な第一歩です。
これからの課題は少なくありませんが、「核なき世界」の実現に向けて、平和科学研究センターも学術の世界で貢献していきます。

                                        2017年7月9日
                               平和科学研究センター長 川野徳幸 

センター長からのメッセージ

 Only One”で“No. 1”の研究施設を目指して

                     広島大学平和科学研究センター長
                               川野 徳幸

 このたび4月1日付で平和科学研究センター長を拝命いたしました。よろしくお願いいたします。
 ご承知のように、本学は「平和を希求する精神」を基本理念の第一に掲げ、その具現化に努めています。その一翼を担う研究機関がここ平和科学研究センター(平和科研)です。昭和50年に発足した平和科研には、これまで積み上げてきた経験と実績があります。それらの上に、また新たな実績を積み上げていかなければなりません。「ヒロシマ」の理念を基軸としながらも、よりグローバルで普遍的な「平和」を追求し、その実現に努力したいと思っております。特に、二つの研究領域の拡充・深化に傾注し、それらの骨格をしっかりと形成したいと考えています。
 その一つは、「ヒロシマ」の理念を基盤とした平和研究です。たとえば、原爆・被ばくに関わる研究、核兵器廃絶・軍縮に関する国際関係などです。いうならば、「ヒロシマ」の思想である「核なき世界」に関連する研究領域です。他方の研究領域は、グローバルイシューに関する平和研究です。たとえば、今日的に緊急性の高いテーマの一つである難民問題、移民問題などが挙げられます。それ以外では、平和学における「構造的暴力」に関わる途上国の諸問題(貧困、平和構築など)、あるいは環境問題等が挙げられます。敢えて命名するならば、「ヒロシマ平和研究」、「グローバル平和研究」ということになります。これら二つの看板をメインに、平和科研は今後、研究に邁進したいと考えています。この二つの研究領域に関しては、゛Only One” で ゛No. 1” であることを目指します。研究に関しては、先行研究を後追いするような研究のスタイルは採りません。これら領域に関しては、常にトップランナーでありたいと思います。トップランナーの先には、関連研究はあっても先行研究はそう多くないはずです。゛Only One” で ゛No. 1” を追求した先には、「ヒロシマ発平和学」なる研究分野の確立があると確信しています。そのために、平和科研教職員一同、粉骨砕身努力いたします。
 「核なき世界」の理念を基盤とする「ヒロシマ」の思想は、原爆被爆者の悲惨な原爆体験とそれに基づく反核兵器への信念、そしてその実現に向けた不断の努力によって、形成されました。核兵器禁止条約に対する日本政府の立ち位置が如何にあろうと、原爆被爆者が壇上で自身の体験を語ると拍手喝采を受け、多くの人の心を揺さぶります。そういった、原爆被爆者と彼らの原体験に「ヒロシマ」は支えられているのです。同時に、そういった、いわば「恩恵」を、そう遠くない将来に「ヒロシマ」は失うことになります。その前に、これからの「ヒロシマ」のあり方、その役割をアカデミズムの中でしっかり議論していきたいと思います。それも、被爆地広島に立脚する私たち平和科学研究センターの使命の一つだと考えています。
 関係各位におかれましては、今後とも、ご支援・ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
                              
                                         2017年4月

副センター長からのメッセージ

            ご挨拶             

                 広島大学平和科学研究センター副センター長
                                片柳 真理

 2017年7月10日付で副センター長を拝命しました、片柳真理です。
国連の平和維持や国際機関での平和構築の実務経験をもとに、現在平和構築に関する研究を進めています。広島大学に着任して3年半、広島は常に平和を議論している地であると感じます。紛争経験国から来る研修生と話をすると、まず広島が原爆によって壊滅的打撃を受けながらも、大きく発展している姿に心打たれるようです。縁あってこの地で平和構築の教育・研究に携わるようになった以上、私自身、広島の復興についても平和構築論の視点から見直してみたいと考えています。と同時に、川野センター長のメッセージにもありますように、「グローバル平和研究」として、国際的な紛争と平和の問題についても研究を進め、現在拡大しつつある国際的な研究ネットワークの中で議論し、成果発信をしていきたいと思います。
 川野センター長の目指す「ヒロシマ発平和学」の確立に向けて、微力ながら力を尽くしたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

                                          2017年7月